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2026.05.14 お知らせ

ITと現場設備は、なぜ簡単につながらないのか IT/OT連携を進める前に確認すべきポイント

製造現場では、生産管理システム、品質管理システム、MES、ERPなどのITシステムと、PLC、センサー、検査装置、加工機、搬送設備などの現場設備を連携させたいというニーズが高まっています。

しかし実際には、ITと現場設備をつなぐことは簡単ではありません。

データを取得したいが、設備側に出力機能がない。
PLCの仕様が古く、通信方式が合わない。
設備ごとにデータ形式が異なる。
現場では止められない設備が多い。
IT部門と製造部門で目的や言葉が違う。

このような理由から、IT/OT連携は計画通りに進まないケースがあります。

ITとOTでは、そもそも考え方が違う

ITは、主に情報を管理・分析する領域です。
一方、OTは、設備を安全に動かし、生産を止めないための領域です。

ITでは、データの統合、可視化、分析、セキュリティが重視されます。
OTでは、安定稼働、リアルタイム性、安全性、設備保護が重視されます。

つまり、IT側は「データを取りたい」と考え、OT側は「設備を止めたくない」と考えます。

どちらも正しい考え方ですが、この前提の違いを理解しないまま連携を進めると、現場に負担がかかりやすくなります。

接続が難しくなる主な理由

IT/OT連携でよく課題になるのは、技術そのものだけではありません。

例えば、古い設備では通信規格が限定されている場合があります。
また、同じ工場内でも、設備メーカーや導入時期が異なれば、データの取り方も変わります。

さらに、取得したデータがそのまま使えるとは限りません。

設備Aでは「稼働中」を1と表示する。
設備Bでは「運転中」をONで表示する。
設備Cでは停止理由がコード番号だけで記録される。

このように、現場データは形式がばらばらになりやすく、ITシステム側で扱うには整理と標準化が必要です。

連携前に確認すべきポイント

IT/OT連携を進める前に、まず確認すべきことがあります。

どの設備から、どのデータを取得するのか。
そのデータは何の判断に使うのか。
リアルタイムで必要なのか、日次集計でよいのか。
既存設備を停止せずに接続できるのか。
通信方式やデータ形式は統一できるのか。
異常時に誰が対応するのか。
セキュリティ上のリスクはないか。

特に重要なのは、「取れるデータ」から考えるのではなく、「現場で何を判断したいのか」から考えることです。

目的が明確でないままデータだけを集めても、活用されないシステムになりやすくなります。

小さく始め、標準化して広げる

IT/OT連携は、最初から工場全体を一気につなぐ必要はありません。

まずは、停止時間が多い設備、品質トラブルが発生しやすい工程、作業記録が手入力になっているラインなど、効果が見えやすい範囲から始めることが重要です。

小さく接続し、データを確認し、現場で使える形に整える。
そのうえで、他の設備や工程へ展開していく。

この進め方であれば、現場への負担を抑えながら、実用的なIT/OT連携を進めやすくなります。

おわりに

ITと現場設備をつなぐことは、単なるシステム接続ではありません。

製造現場の運用、設備仕様、データ形式、安全性、セキュリティを理解したうえで進める必要があります。

重要なのは、設備からデータを取ることではなく、そのデータを使って現場の判断を早く、正確にすることです。

ITとOTが正しくつながることで、工場は「見えない現場」から「判断できる現場」へ変わっていきます。